現在、世界135ヶ国に9万人いると言われているBUYMAのパーソナルショッパー。
市場競争は年々熾烈を極めており、差別化戦略なくして生き残ることは難しくなってきました。
そんな中、少しでも安く商品を出品することで、
ライバルに優位性を示したいと考えている方も多いのではないでしょうか。
価格面で勝つには”いかに仕入れコストを抑えるか”がもっとも重要になりますが、
その手段の一つとして買い付け先から直接お客様に商品をお届けする「直営店直送」があります。
最近は、この直営店直送をしていると思われるショッパーをよく見かけるようになりました。
僕も「お店から直送したいのですがどうしたらいいですか?」という質問をよくいただきます。
そこで今回は、海外の直営店から日本のお客様に直送するメリット&デメリットと、
具体的な方法について詳しく解説したいと思います。
本記事をよく読んで、自分が取り組むべきかどうかを検討してみてくださいね!
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目次
BUYMAにおける「直営店直送」とは?
BUYMAにおける「直営店直送」とは、
ショッパーを経由せずに買い付け先の店舗からお客様のところへ直接商品をお届けすることを言います。
店舗からお客様に直送することで、国内送料などの配送時にかかるコストを削減できます。
そのぶん低価格での出品が可能となり、価格面でライバルより有利になるのです。
BUYMAでお店からお客様に直送するのはルール違反?!
実のところ、BUYMAでは買い付け先店舗からの直送は原則的に禁止とされています。
僕たちショッパーは、必ず商品を検品してからお客様へ発送しなければならないという決まりがあるのです。
店舗やウェブサイトから買付け後、検品を行わずに、直接購入者へお送りすることは原則、禁止しております。
BUYMAでは問題のない商品をお届けするところまでを出品者責任としてお願いしているので、品質ガイドラインに照らして基準に満たない商品は交換(返品)対象となります。
検品漏れによるトラブルが発生しないよう、海外から商品をお取り寄せする場合は一旦ご自身で商品を受け取り・検品していただき、その後、購入者に商品を発送してください。
(出典: BUYMAガイド)
このように、規約にも明記されているBUYMAのルールを違反すると、
程度によってはアカウント停止・削除などの重い処分が下されることになります。
したがって、直営店直送は本来であれば避けるべきことなのです。
直営店から直送しているショッパーの特徴
ところが、アカウント停止のリスクを背負いながらも直営店直送をするショッパーは少なくありません。
直送していると思われるショッパーの特徴
このようなショッパーは、まず間違いなく買い付け先から直送していると言えるでしょう。
現地にパートナーがいる場合は直送OK
では、BUYMAで禁止されているにもかかわらず直送しているショッパーがいるのはなぜでしょうか。
それは、以下のような”例外”があるからです。
買付け後、パートナー等に検品を行っていただき発送する場合に限り、出品者責任のもと直送は可能です。
ただし、トラブルが発生した場合、出品者の責となります。
(出典:BUYMAガイド)
これなら確かにルール違反にはならないですね。
しかし、実際に現地に買い付けパートナーがいて、商品の検品を行なっているかどうかは、
BUYMA事務局では確認のしようがありません。
そのため、買い付けパートナーが本当にいてもいなくても、
「検品をしている」という体にさえしておけば直送は誰にでも可能なのです。
もし発覚した場合は、間違いなくペナルティを課されることになるでしょうね・・・。
BUYMAで直営店直送をするメリット
何事もそうですが、リスクを冒すような行動を敢えてする必要はありません。
危険だとわかっていながらもやろうと思うのは、代え難いメリットが何かしら得られるからです。
BUYMAにおける直営店直送に関しても同じで、
買い付け先店舗からお客様に直送するメリット
こうしたメリットがあるからこそ、ルール違反を承知の上でやるショッパーがいるわけです。
それでは、もう少し詳しく見ていきましょう。
国内配送料がかからないぶん出品価格を安くできる
海外買い付けの場合、商品代金のほかに次のような費用がかかります。
買い付け時に発生する費用
買い付け店舗からの直送にすると、関税/消費税の負担がなくなり国内送料もかからないので、
そのぶん価格を下げて出品することができるようになります。
価格面でライバルに勝てる。これこそが直営店直送をする最大のメリットです。
検品・梱包をする手間と時間が省ける
海外買い付けは「商品を受け取って検品→再び梱包して発送」という流れが基本ですが、
この発送までの一連の作業を日々こなすのは結構大変ですよね。
これが買い付け先の店舗からの直送だと、
商品がショッパーを経由しないおかげで検品と梱包にかかる一切の手間と時間を省くことができます。
発送作業を外注化しているならその必要もなくなるので、同時に人件費削減も可能です。
商品を早くお届けできるので受注に繋がりやすい
また、直送だと商品がショッパーを経由しないぶん配送までの日数も短縮され、
通常の海外買い付けよりも早くお客様にお届けすることができます。
BUYMAのお客様の中には「できるだけ早く商品が欲しい!」と思っている方も多いです。
配送までの日数がかからないとなれば購入してくれる可能性も高くなるでしょう。
BUYMAで直営店直送をするデメリット
冒頭でも触れたように、直営店直送はメリットばかりではありません。
買い付け先店舗からお客様に直送するデメリット
では、こちらも詳しく見ていきましょう。
商品に問題があった場合にお客様とトラブルになりかねない
直送だと自分で検品することができないため、商品の状態はお客様の手元に届くまでわかりません。
そのため、万が一問題のある商品が届いた場合に大きなトラブルに発展する恐れがあります。
もし買い付け先の店舗に返品・交換を依頼することになったとしても、
発送先住所から商品を返送しなければならないケースが多く、そうなるとお客様に面倒をかけてしまいます。
楽しみに待っていた商品が不良品だったうえに、自分で返送の手配をする羽目になれば、
どんなお客様だってショッパーに対して文句の一つも言いたくなるでしょう。
そこからさらなるトラブルが勃発することにもなりかねません。
輸入通関時に問題が起こってもショッパーが対応できない
輸入ビジネスをやっていると、たまに何らかの理由で荷物が通関検査に引っかかってしまうことがあります。
皆さんも一度くらいは経験されたことがあるかもしれませんね。
通関トラブルは基本的に輸入者が対応しますが、直営店直送の場合はショッパーではなくお客様が輸入者になります。
つまり、何かあった時はお客様が税関職員と話をしたり、求めに応じて書類を揃えたりしなくてはならないのです。
ショッパーが代わりに事を済ませられれば良いのですが、こればかりはお客様に対応していただくしかありません。
商品の仕入れ値をお客様に知られてしまう
買い付け先から直送の商品にはインボイス(invoice:請求書・納品書)が同梱されたままなので、
お客様に買い付け先の情報や仕入れ値がわかってしまいます。
わかったからといって特に問題があるわけでもないのですが、
仕入れ値を知られたとなると利益を上乗せして販売していることに罪悪感を抱いてしまいがちです。
また、お客様の中にはインボイスを見て
「本当はこんなに安いの?じゃあ次は自分で輸入してみよう!」と思う方がいないとも限りません。
もしそうなれば、大事な顧客を1人失ってしまうことになります。
梱包の丁寧さは期待できない
日本と欧米では、サービスレベルの高さがまったく違います。
皆さんも普段、海外から買い付けた商品の梱包を見ていて、ずいぶん簡素だとか雑だとか感じたりしませんか?
これは決して欧米人が大雑把な性格だからというわけでなく、
僕ら日本人が「買った物は丁寧に梱包してもらって当然」だと思っているふしがあるからです。
お客様も同じで、特に日頃から一流のサービスを受けているハイエンド層の方などは、
一見手抜きにも見える海外の梱包で商品が届いたら不愉快な気持ちになってしまうかもしれません。
「梱包の丁寧さ」はショッパー評価項目のひとつですが、直送だと高評価をつけてもらうことは難しいでしょう。
海外直送を良く思わないお客様もいる
BUYMAの一部のお客様は、海外直送の商品にあまり良いイメージを持っていません。
その理由としては、
- 「遅延や未着が心配・・・ちゃんと届くの?」
- 「関税って一体いくらかかるんだろう?」
- 「届くまでに壊れたりしないかな・・・?」
おそらくこんなところではないかと思います。
そのため、同じアイテムでも支払額が明確で検品済みのものを届けてもらえる国内発送のほうを選ぶお客様も多いです。
BUYMAでルール違反にならず直営店直送する方法
ここまでBUYMAにおける直営店直送のメリット・デメリットについてお伝えしてまいりました。
ご覧いただいたとおり数だけでいえばメリットよりもデメリットのほうが圧倒的に多いですが、
それらをうまくカバーできる戦略を立てられるのならば、やる価値は十分にあるでしょう。
ただ、直営店直送をするためには、
買い付け先の国・地域にパートナーを雇ったうえでBUYMA事務局に許可を取る必要があります。
BUYMAに直営店直送の可否を尋ねる時の例文
BUYMA事務局からOKの返答があれば、堂々と直送して構いません。
もしNGだった場合は、直送するのはやめておきましょう。
アカウント停止のリスクを背負って活動するくらいなら、他の戦略を考えたほうが良いです。
なお、次のようなパーソナルショッパーは承認を得にくい傾向があります。
- 取引実績が数十件程度と少ない
- お客様からの評価があまり良くない
心配な方は可否を問い合わせる前に、まずは実績を積みましょう。
BUYMAの直営店直送で損する人もいる!その理由とは?
では、BUYMA事務局から許可を得られた場合には
今すぐにでも直送を始めるべきかというと、実はそうとも言い切れません。
日本国内在住で消費税の納付義務があり、なおかつBUYMAでの売り上げが5,000万円を超えるショッパーは、
直送だとかえって損をしてしまうことになります。
なぜなら、高額な消費税を納めなくてはならず採算性が悪いからです。
日本国内で商品を購入したりサービスを受ける時は、その代金の8%を消費税として支払う必要があります。
一方、消費税を受け取る側の事業者(売上金1,000万円以上)は、
「お客さんから受け取った消費税」から「経費」を差し引いた差額を納税することになります。
BUYMAのショッパーだと、通常は
[売上にともなう消費税]−[仕入れ時にかかった消費税]が納付額ですね。
ところが、海外からお客様に直送した場合は、ショッパーは消費税を支払っていません。
したがって、売上時に受け取っている消費税8%分をまるまる納付しなくてはならないのです。
ex. 売上金5,000万円のショッパーの消費税納付額
- ショッパーを経由する場合の納付額は[5,000万円×8%]−[2,000万円×8%]= 240万円
- お客様へ直送する場合の納付額は[5,000万円×8%]=400万円
・・・これでは利益などあったものではないですね。
一方、売上が5,000万円未満であれば、簡易課税方式を選択すれば「みなし仕入率」が適用になります。
小売業の場合は[売上にともなう消費税]−[売上に伴う消費税×80%]が納付額です。
つまり、仕入れ時に消費税を支払っているかいないかは関係ない=直送に向いていると言えます。
消費税に関しては、国税庁ホームページで詳しく確認してみてください。
→https://www.nta.go.jp
まとめ
いかがでしたか?
今回はBUYMAにおける直営店直送のメリット・デメリットと具体的な方法について詳しく解説してまいりました。
内容をざっくりおさらいしておきましょうか^ ^
今回のまとめ
直営店直送は、どんなショッパーにも適した戦略とは決して言えません。
発送コストや手間をかけたくないからリスクは大きくても直営店直送で対応するのか、
リスクを背負いたくないからコストや手間はかかっても国内発送にするのか。
ここは皆さんの普段の忙しさや物事の考え方などによって、それぞれ違った判断になるかと思います。
デメリットも含めて考慮したうえで「自分には向いているかも」と判断できれば、
やってみる価値は十分にあると言えるでしょう。
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